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◆上村愛子、潔く美しく…「はい、わかりましたという感じ」
【スポーツの「言葉」たち】モーグル・上村愛子
果物などで、早生(わせ)という品種がある。生育期間が短く、早く収穫期に達する特性をいう。遺伝が関わってくるものであるから、人間にもやはり「早生」「晩生(おくて)」はある。
いわゆる「天才」と呼ばれる人たちには、「早生」が多いように思う。なかでも、スポーツは、才能がいち早く目立つ世界だ。
天才の名をほしいままにして、ソチ冬季五輪に臨んだのが、17歳の高校生、高梨沙羅(クラレ)である。152センチ、45キロというジャンパーとしては小柄すぎる体なのだが、めっぽう強い。今季、五輪までワールドカップで13戦して10勝。表彰台を逃したことはなかった。
ところが、五輪では4位に終わってしまった。
「天才少女」がつまずいたソチは「努力の人」もまた、涙をのむ大会となった。女子モーグルでメダルを狙った34歳の上村愛子(北野建設)のことだ。
1998年の長野五輪に18歳で出場。このとき天才肌のスキーヤー、里谷多英が金、上村は7位だった。晩成型の上村は、のちにワールドカップで日本人としては初の年間総合優勝を果たすなど活躍、五輪の成績も一歩ずつ積み上げ、前回のバンクーバーで4位。5大会連続となる今大会は、これが最後の五輪と位置づけて臨んだが、またもあと一歩届かず4位に終わったのだった。
決勝に進んだ6人のなかで最速タイムをたたきだし、エアもノーミス。なのに、3位のハナ・カーニー(米国)との差は0・83と大きかった。
悔しかったはずだ。もう、こんな大舞台で滑ることはない。加えて、カーニーはエアのあと体勢を崩しかけた。上村自身、「表彰台に乗ったかも」と思ったという。
しかし、結果を知って見出しの言葉が出た。
このあたり、上村の人柄が出ている。愚痴をこぼすこともなく、彼女は潔く舞台を降りた。美しく退くことで、彼女の最後の五輪は、多くの人々の記憶に残った。そう、彼女の最後のアタックを見た者ひとりひとりが、心の中で彼女に「メダル」を贈ったのだ。
五輪の女神に、上村は5度も試された。「あと少し」の思いを胸に、彼女は何度も立ち上がった。願わくば、いま失意のなかにいる「天才少女」も、上村のように起き上がらんことを。