お店を出す為にしっかり考えないといけない事。それは雇用。
やりがいと収入とバランスの取れたスタッフ教育とサロン経営の舵取りをします。
それらを現実にするために、
「あなたのサロンは自分に
どんなメリットがあるの?」
を明確にします。
ターゲットとコンセプトですね。
完全なるスタッフ優位のサロンづくりを目指します。サロンスタッフがイキイキしている空気感は、とにかくお客様の居心地が良くなるはず。
でもスタッフ優位といっても、ワガママに自由に甘やかす事ではありません。
そこの線引きが難しいんですよね。
下記からヒントを探せそうな気もするのですが…。
◆美容業界雇用の現状
現在の美容業界の状況で深刻な問題のひとつがアシスタント不足です。
おそらく、全国的に状況は変わらないと思われますが、数年前から状況はひどくなる一方です。
美容師は、もともと離職率の高い業種ではありました。
しかし、以前は勤めていたサロンを辞めても別の店で働くことが多かったのですが、ここ数年の傾向では美容師そのものを辞めてしまうことが多くなりました。
そのため、新卒で採用したアシスタントスタッフが退職し、あらたに募集をかけても応募者が全く来ないという状態がザラに起きてます。
考えられる理由はいろいろあります。
【時代背景】
私が就職した頃は、まだ徒弟制度の名残が深く残っていました。(さらに昔は住み込みで働き、先生の家の家事までこなし、小遣い程度の給料しか貰えなかった)当時の給料は手取りで8万足らずで、実家の援助なしでは一人暮らしなど到底考えられませんでした。田舎から出てきた新人の多くは寮に入り、早朝から深夜までの労働とトレーニングに明け暮れる毎日です。週一回の休みも講習会などに参加したりと自由な時間は限られたものでした。しかし、いつかは自分の店を持ちたいという、強い希望が支えになったりもしていました。それが、ただの夢ではなく現実として考えられる時代だったのです。
現在では、新人といえども決して高くはないにしろ、そこそこの給料を貰える時代になりました。待遇面でも昔に比べはるかに良くなりました。ただし夢が持ちづらくなってきました。完全にオーバーストアの状態で新規出店してもお客様が来てくれる時代ではなくなりました。自分の店を持つという夢の現実感がどんどん希薄になってきました。憧れであり、目標でもあるはずのサロンオーナーの多くが経営に苦しんでいます。その背中を新人たちは冷静に見つめています。
【本人の資質】
10数年前から美容学校が1年制から2年制へ移行しました。感覚的にはその頃から離職率が高まったように思います。それには様々なことが言われています。本来のヘアスタイルを作る勉強以外のメイク・ネイル・エステなどのカリキュラムが増え、美容師以外の仕事に興味が移ってしまい仕事に対しての情熱が薄くなってしまったというのが代表的な意見かもしれません。
また、一般的に言われている「ゆとり世代」の離職です。新卒者の面接をすると、ほぼ全員が美容室の労働環境を理解しているようです。それでも耐えられずに様々な理由で辞めていきます。ここでいう辞めるとは、店をやめることではなく、美容師を辞めるという意味です。2年間美容学校に通えば、約200万の学費がかかります。ほとんどが親の負担です。美容学校に入学するときは、色んな希望を持っていたと思うのですが・・・。
【労働環境(店)の問題】
人間関係の問題は、どの業界にも付き物です。そんなものは業界からの離職の直接の原因とは言えません。ただし、モチベーションの低下につながることは明らかで、スタッフ間のギスギスした関係を生む根本的な原因は、もっと他にあります。例えば・・・、7~8年前から、美容師の給料は、アシスタントは固定給、スタイリストになると歩合給というシステムが主流になりました。能力や実績によってサラリーが支払われるのは、時代の流れでもあったし、それによって一時的に手取額が一気に増える美容師が沢山生まれました。しかし、一方では多くの弊害が表面化してきました。個人の売上だけを評価する歩合給になると、当然のように、それぞれのスタイリストが個人プレーに走ります。チームとしての一体感が無くなっていくのも当然です。しかし、日本人は、そうドライに割り切れる民族ではありません。心の中に不協和が生まれていきます。やがて不況の波に飲み込まれた多くの美容室では、集客に苦しみます。ようやくスタイリストとしてデビューしてもお客様が来てくれないのでは売上が上がりません。
当然給料も上がりません。すると、やる気と自信が無くなるスパイラルに
はまっていきます。経営者はあの手この手で叱咤しますが、笛吹けど踊らずです。サロン内には沈滞ムードが漂いはじめます。アシスタントは肌で感じ取ります。将来が不安だと…。
これは、あくまで一例です。ただ、若い美容師の希望の芽を摘んでいる労働環境が多く実在しているのは否定できないと思います。