「主観的なバイタリティー」が高まるのは、自主性、権限、つながりといった基本的な心理要求が満たされた時
今日刺さった言葉。
昨日の富士登山から一転、今日から仕事モード、独立モードです!
遊んだ8月は終わり、早9月!
今月中に事業計画書を練り直し、それに見合う物件探しに挑みます!
今での会社生活も上手く生かさねば!
【幸福とモチベーションの複雑な関係】
誰もが夢や願望からエネルギーを得ています。それでは、「幸福」はどうでしょうか? 幸福はモチベーションの源泉となりうるのでしょうか? 今回は、数々の研究結果をもとに、幸福とモチベーションの複雑な関係を探ってみます。
◆幸福な人は生産的?
幸福な人のほうが生産的だと信じる証拠がたくさんあります。米世論調査企業ギャラップ社の研究によると、米国において、労働者の不満がもたらす生産性の損失は、年間で3千億ドルに達するそうです。
アンドリュー・J・オズワルド(Andrew J. Oswald)氏とそのチームによる一連の研究は、「幸福」が生産性に対してポジティブな影響を与えることを示しました。例えば、ある実験では、被験者にコメディー動画を見せ、幸福度を高めてもらいました。その結果、コメディー動画を見た人たちは、プラシーボの動画を見た人たちに比べて、12%生産性が高いことがわかりました。
同じ科学者グループによる別の研究では、私生活上の大きな不幸(家族の病気や死別など)が、生産性に与える影響を調べました。無作為に集められた被験者に対して、幸福度と、人生で体験した幸福な出来事及び不幸な出来事についてアンケートをとったあと、生産性テストを受けてもらいました。その結果、過去2年以内に不幸な出来事があった人たちは、そうでない人たちに比べ、生産性が約10%低いことがわかりました。
これらの研究から、幸福は生産性を12%向上させ、不幸は生産性を10%低下させることがわかりました。では、この研究成果をどう活かせばいいのでしょう? もちろん、「だから、とにかく幸福になりましょう!」と言うのは無意味です。その代わりに、社員を幸福にする業務フローを構築してください。
◆幸福と「自主性」の関係
おそらく、幸福な人が生産的になる理由は、身体だけでなく、心理的なエネルギーの高まりを感じるからでしょう。
端的に言えば、人は、主観的に自分が幸福であると思うとき、幸福なのです。
ロチェスター大学のリチャード・M・ライアン(Richard M. Ryan)氏とサザン・ユタ大学のクリスティーナ・フレデリック(Christina Frederick)氏は、「幸福の反映としての主観的なバイタリティー」というコンセプトに注目しました。
両氏によると、「主観的なバイタリティー」が高まるのは、自主性、権限、つながりといった基本的な心理要求が満たされた時なのだとか。中でも、「自主性」がエネルギーレベルに大きな影響を与えるそうです。自らの決断によって行動するとき、エネルギーが高まります。逆に、押し付けられた行動をとるとき、エネルギーを浪費しているように感じます。マネージャーや経営者がここから学べることは何でしょう? 社員に自由を与えるほど、彼らの満足感や幸福度が高まるということです。その結果、生産性も向上するはずです。
ライアン氏らによる別の研究では、ペインクリニックと減量クリニックにおいて、強制的に参加させられた人たちは、自分の意志で参加した人に比べてバイタリティーが低いことがわかりました。
これは、内発的なモチベーションが主観的なバイタリティーを高めることを意味します。チームメンバーに高いエネルギーを求めるなら、自らリスクをとれる自主性を与えてください。
◆ポジティブな感情が職場に与える影響
「幸福」と「ポジティブな相互作用」が、職場での生産性に大きな影響を与えます。幸福を感じている人がいると、当人だけでなく、チーム全体の満足感やモチベーションも高まることがわかりました。
バークレー大学ビジネスクールの研究によると、職場でチームメンバーのひとりがポジティブな感情を表現すると、3つの領域へ効果が波及するそうです。
第一に、幸福を感じている本人にポジティブな影響があります。仕事への粘り強さが増したり、認知機能の向上などが見られました。
第二に、当人への、ほかのチームメンバーからの反応にも変化が表れます。ひとりのメンバーがポジティブな感情を持ち、それを表現し始めると、周囲のメンバーは、当人からの働きかけに対して、より好意的に反応する傾向がありました。また、チームメンバーたちは、その人の望ましい性格について、過度に一般化する傾向も見られました。
第三に、ポジティブな感情を経験している人は、ほかのチームメンバーを積極的に助ける傾向が見られました。
幸福を感じているチームメンバーは、より生産的になるだけでなく、ほかのメンバーにもポジティブな効果をもたらします。また、ポジティブな感情は、楽観と自己統制感を高めてくれます。ときに、ポジティブな感情は、不正確な希望的観測を引き起こします。しかし、成功への期待は、粘り強さの元でもあります。ポジティブな結果が出ると信じるからこそ、困難があってもあきらめずにやり通せるのです。
◆うつの人は思慮深い?
エネルギッシュでない人がそれほど悪いわけではありません。人は、認知バイアス、自己奉仕バイアス、コントロール幻想などのせいで、自分の成果を過大評価する傾向にあります。
しかし、気分が沈んでいる人は必ずしもそうではありません。うつ状態の人は、自己奉仕バイアスが少なく、自分や他人の成果について、より正確なフィードバックを返す傾向にあります。また、自己統制のレベルについても妥当な感覚を持っています。この現象は、「抑うつの現実主義」と呼ばれます。
これは、幸福でない人が、必ずしも良い仕事ができないわけではないことを意味します。それに、私たちの幸福レベルは1日のうちでも変動しています。とはいえ、人生への満足感が低い人は、他者が自分をどう思っているか、他者の要求にどう反応すればいいかがわからない傾向にあります。
また、結局のところ、モチベーションと生産性は、幸福というよりは、ポジティブシンキングに依存するのです(テトリス効果も参照)。ポジティブシンキングがあれば、困難なときでも、目の前のタスクに集中できます。そして、成功を信じることが、成功を呼び寄せます。
ですので、成功した自分を思い描きながら、迷わず前進してください。やがてそれがあなたを成功へ導くでしょう。