こんにちは!美容室アコール代表の中澤です!
以前にカットの外部講師をやっていた時の資料です!
どちらかというと美容師向けに作った資料なので、一般の方が見てもさっぱり面白くないかも知れませんが、僕のカットのこだわりが伝われば幸いです!
また、こういった資料は出し惜しみするのが業界の常ですが、僕は出します!
何かの折に美容師さんがこの記事にたどり着き、何かの役に立ち、その方の美容師人生がプラスになれば嬉しいんです。
大好きな活字だらけの、無駄な長文のカット理論!時間があればぜひ読んでみてください!!
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【カットで大切なこと】まとめ
■カットに大切なイメージ【イメージ→カット→チェック】
・カット前のイメージ
・1つのパネルのイメージ
・1つのセクションのイメージ
・仕上がりのイメージ
■カットが上手いスタイリストのイメージ
・イメージできる
・イメージ通りカットできる
◆お客様のイメージ
・求めるイメージを共有できる(受動型)
・似合うイメージを共有できる(提案型)
■上手くなるには
・3つのポイント「素直」「器」「勉強好き」と「姿勢と姿勢」
■スタイルの違い
・ワンレン(一つの長さ)
・グラデーション(段カットで上が長いスタイル)
・レイヤー(段カットで上が短いスタイル)
■髪の特性
・短い髪が長い髪を押す
・短い髪が長い髪に流れ、ついていく
・髪は同一方向にしか曲がらない(直毛、波状毛、捻転毛、縮毛、)
■カットでショートになればなるほど影響が出やすいのは
・角度(ステム)
・シェープ(テンション)
・パネルの厚さ
・カットライン(切り口))
■セニングの使い方
・入れる位置と入れ方
【カットで大切なこと】資料A
■ヘアサロンをリピートする理由&リピートしたくない理由ランキング
~リピートの決め手は「接客」がポイントに~
「技術」よりも「接客」を重要視!?
【リピートしたい理由】※自由回答
1位 料金(506件) 「料金に満足」「高すぎず安すぎない」「料金が手頃」
2位 接客(396件) 「丁寧に接客してくれる」「1人1人の接客態度が良い」
3位 技術(321件) 「技術が確か」「技術に安心感がある」「カットが上手い」
4位 立地(283件) 「思い立ってすぐ行ける」「駅から近く便利」
5位 仕上がり(248件) 「イメージ通りに仕上げてくれる」「仕上がりがキレイ」
「接客」が不満への影響大!
■リピートしたくない理由※自由回答
1位 接客(407件) 「接客態度がエラそう」「接客がうざい」「言葉使いや態度が不快」
2位 仕上がり(367件) 「希望と違う」「仕上がりが適当」「ブローの仕上がりが雑」
3位 技術(303件) 「技術水準が低い」「おしゃべりより技術を磨いてほしい」
4位 時間(137件) 「手際が悪く、時間がかかった」「予約したのに長い間待たされた」
5位 気疲れ(136件)「スタッフがおしゃべりで気疲れ」「テンションについていけない」
■考察
どちらのランキングでも「接客」が1位、2位にそれぞれランクイン。「接客」についてコメントを見てみると接客面でリピートしたい理由については
・色々な情報を持っているので、話が途切れないし勉強になる。(20歳/北海道・東北)
・以前交わした話題を憶えていてくれて、それをもとに積極的にコミュニケーションを図ってくれた。(46歳/首都圏)
・気配りと挨拶がきちんとできるスタッフがいるお店は安心できる。(33歳/首都圏)
その他にも、「1度行っただけなのに、覚えていてくれていた」というコメントも多く見られました。
一方、接客面でリピートしたくない理由としては
・お客様によって接客態度が違っていた。(44歳/中国・四国)
・スタッフの好みを押しつけられたり、馴れ馴れしすぎて不快だった。(41歳/九州)
・スタッフ同士の私語が多く、気分が悪かった(25歳/関西)
など、技術時以外の接客に対するコメントも多く見られ、接客に不快感を感じると、技術への不安感も高まる傾向が明らかになりました。
■美容室での接客!お客様の不満は、技術不足として現れる!
あなたが売っているものはなんですか?美容室はお客様に技術商品サービスを売り、その売り上げを得て経営が成り立ちます。
お客様があなたの美容室を選ぶ理由は何でしょうか?
・とびきりの技術でしょうか?
・ダントツの安さでしょうか?
これは、ある美容室の話です。
あるスタッフは、入社後厳しい研修とテスト乗り越えて合格し、技術はどこに出しても恥ずかしくないほどにまで成長したので、お客様の施術を任せました。しかし、「他のスタッフに変えてほしい」「ちょっと技術が足りない」などの声が、常連のお客様から不満が寄せられたのです。
再度確認してみても、そのスタッフの技術は確かです。では、なぜこのような不満の声が上がったのか?
実は、その答えは接客力不足にあったのです。ここで興味深いのが、お客様はそのスタッフの接客力に問題があるとは言わなかったことです。なぜならば、お客様は自分では接客を受けに来ているのではなく、施術を受けに来ていると思っているからです。すなわち、お客様の不満は、接客力不足として現れるのではなく、技術不足として現れるのです。お客様は、技術を買いに来ていると思っており、美容室側も、技術を売っていると思っています。しかし実は、美容室が売っているのは安心感や満足感、すなわち喜びなのです。
飲食店も同じです。お客様自身も気づいていないかもしれませんがお客様は料理を食べに来ているのではなく、食事をすることによって得られる満足感を買いに来ているのです。「お客様に喜びよる商売」それが接客業なのです。この基本的なことがわかれば、後はそのどのように活かして行くかを考えるだけです。
お客様に満足していただき、お客様を増やしていくにはどうすればよいでしょうか?
お客様と信頼関係を築き、美容室の経営に生かすにはどうすればよいでしょうか?
どんなにお客様の真心や思いやりがあっても、それがうまく伝わらなければ全く意味がないものになってしまいます。お客様に美容室のスタッフからの誠意をうまく伝えるためには、ちょっとしたコツと自分自身の見直しが必要です。
■お客様からの表面的な希望だけを聞いて、細かい気になる点などについてヒアリングしないままに良しとしてしまうのは、プロとしてあまり良くありません。何故ならカウンセリングではお客様の意見をたくさん引き出す必要があるからです。
髪型というのは、長さだけでなく、量や質、顔の大きさなどによって印象が大きく変わってしまいます。
それにも関わらず、お客様の希望を鵜呑みにして何もアドバイスを与えないままに施術されてしまっては何だか心配になりますよね。
■美容室132店舗における20,772人の新規客の90日以内のリピート率を集計
これは、美容室様における新規のお客様がどれくらい固定客になったかを表したデータです。美容室では新規のリピート率は30%ほどです。そして、このリピートしたお客 様のうち、3回目の来店をするのは50%前後。ということは、1カ月に50人の新規客を集客したとしても、実際 3回ご来店頂ける顧客は新規客50人中、たったの8人ということになります。
もう一つ、興味深いデータがあります。実は、お店に3回以上来店しているお客様は、新規客や2回目来店客に比べ、飛躍的にリピート率が高まることがデータで明らかになっています。
ということは、新規のお客様が3回まで来店してもらうことができれば、その後繰り返し来店する常連のお客様になる確率は極めて高くなるということになります。
・どんなにすばらしい「リピート率アップ・失客率ダウン」のレクチャーを受けても「最終的には、スタッフの能力」という、第一の壁に挫折したはずです。
・お客様は、一人一人千差万別で「マニュアル化することが難しい」という二つ目の壁に挫折したはずです。
・一つの取り組みだけを強化したとしても、「他の失客要因」があればリピート率アップ・失客率ダウンに繋がらない、という三つ目の壁に挫折したはずです。
・何が原因で失客したのか、「具体的な失客理由を明確にすることが難しい」という四つ目の壁に挫折したはずです。
95%のオーナーが挫折した四つの壁は、こう考えると簡単に解決できます!
【上手いスタイリスト】資料B
僕たち美容師は技術者になるために毎日のように練習し、たくさんの時間を使っています。スタイリストになってからも新しい技術やトレンドのヘアのニュアンスをつかむために営業後にウイッグ出して練習したりします。また後輩の練習を見なくてはイケナイ場合とかも多いいと思います。何のために、こんなにも練習をするのか、もちろんお客様をハッピーにしたい、笑顔にしたい、将来多くのお客様から支持を得たい、多くの人がそれを目標に練習をする上でのモチベーションアップに繋げていることだと思います
多くのお客様の支持を得なくてはなりません。多くのお客様から指示された時に、はじめて今までの努力がお客様からの笑顔となって帰ってきます。
基礎を理解することでデザインする楽しさがわかってきます。これはヘアスタイルをパターンで覚えてしまった人には味会うことはできません
カットデザインの原理や原則を理解すると自然や、タウン、ウオッチングすることでデザインがどんどん発想出来るようになってきます。そうなった時、初めてデザインする楽しさがわかってきてお客様からの評価も上がると思います。
カットの原理がわかってしまえばどこから切り始めようが、縦スライスできろうが、横スライスで
斜めスライスで切ろうが構わないとも言えます。しかし短期時間で合理的にしかも手入れがしやすく、するにはどう切るかまた多くのスタッフを指導するには、どう切ると分かりやすく、覚えやすいか、と考えた時、当然ある程度切り方が決まってきます。なぜそれがベターなのかと言った説明が可能になります。カットの原理は今も昔も変わりませんが基本として覚えなくてはイケないことが多くなりました。これはヘアスタイルが多様化した結果、ベーシックもまた多様化につながったと思います。
カットの原理は大きく分けて、ワンレングス、レイヤー、グラデーションにすべての基本の原理が当てはまります。
髪質の違い、毛流、頭の形の理解、髪に対して重力のかかり具合い等が理解でき、シェープの角度による変化、パネルの幅による変化、スライスラインによる向き不向き等知ることで、カットデザインを自由発想することが出来るようになります。
さらにセニングシザーによるデザインの変化、空間を創る事による変化、セニングは髪の毛を少なくする道具から、デザインを作る道具に変化し、これを知ることが必要に、になって来ました。
カットは人それぞれです。カットのうまい美容師、下手な美容師がいます。上手いか下手かというのはお客様が決める事ですからここでは美容師目線での上手い下手の話です。美容師から見ると上手い下手というのはその人に似合っているかとか仕上げ方とかそういう事もありますが、重要なのはカット理論、毛量調整といったカット技術に関わることです。
やはり上手い美容師というのはカット理論を理解しているし、毛量調整、似合わせが上手いです。手元がおぼつかない美容師だと、お客様も不安になるのではないでしょうか?カットの組立が頭の中でできていないので、無駄に髪を触ったり、無駄に切ったり、そんな仕草が多いはずです。あくまでも美容師目線ですからいいのか悪いのかわかりませんが、そういう美容師が多いのも事実です。
美容師をやっていて頭を使う事があまりありません。計算とかほとんどしないですし、漢字を書く機会もあまりありません。そういう面で頭を使う事はないのですが、美容師の場合は空間での認識、空間での構成、こういった部分ではとても頭を使います。要するに「こう切ったらこうなる」「こうする為にこう切る」という計算をしていきます。カットの前に「展開図」というモノを頭の中に描きます。これは美容師には必要不可欠なことです。この部分の構成を極めて高い次元行わなければいけません。スタイルを見たときにどのようにカットしたのか展開図が頭の中に出てくるのがベストです。
できる美容師と出来ない美容師の差は展開図というのもでも大きく変わってきます。まずは、この展開図が頭の中に瞬時に浮かぶかどうかです。できる美容師というのはこの展開図がすぐに浮かぶはずです。なので、どのように切るかというプランができているので仕事が正確で早いです。しっかりとした練習を重ねて、後は経験を重ねて、常に展開図を頭の中で描く事を意識していくといいです。出来ない美容師はここが抜けています。どのようにカットしていけばいいのか頭の中で描けていません。もちろん大体の構成はできているでしょうけどそもそもその空間的に考えたモノが表現できるか自信がないです。練習不足です。新人の頃は特にこの状態です。なので、ひたすら練習でカットした状態の髪を覚える事です。
ここを45度できるとこうなる、ここをこれだけ切るとこうなる、髪のおちた状態を叩き込む。もちろん頭の形や、顔の形などで代わりますからそういうところは経験をして捉えていきましょう。
こういう部分が備わってくると本当に仕事が早くなります。そして正確に仕事ができます。そこからもっとなれてくるとスタイルを見ただけでどのようにカットしたのか頭の中で自然と展開図が描けます。日々のサロンワークでこういう所を少しずつ意識していくことで1年後には大きく成長できていると思います。
自分の思い描くデザイン、そのお客さまに似合うデザインがイメージできて、それを僕らが磨いてきた技術で表現し、価値を感じてもらい笑顔でお金を払っていただき、感謝されまた来てくれる。これが美容師としての喜びと楽しさではないでしょうか。
【上手くなる】資料C
・イメージできる
・イメージ通りカットできる
■カットが上手になる、第一のポイントは「素直」です。
ルビンの杯はご存知でしょうか?このようにたった一枚の絵でもいろいろな見方があるのです。
幾何学的錯覚というものもあります。ABとBCではどちらが長く見えますか?BC の方が長く見える人が大多数だと思います。実は同じ長さなのです。
ここで言いたいことは、あなたが実際に見ているものでも見方をかえるとまったく違うものになるということです。まずは、そのことを理解して欲しいと思うのです。
頭をやわらかくして物事を最初から否定しないことが大事だということです。思考の入り口を広くしておくといってもいいかもしれません。世の中には人それぞれの、いろいろな考え方があるわけですから例えば非科学的なことやスピリチュアルな話しでも最初から否定しないでください。実はその先に何か重要なことがあるかもしれないのに入り口を閉ざしてしまっては、先へ進むことができません。
思考の第一歩は、「そんなことあるわけないよ~」ではなく「それもあるかもしれないな~」です。
自分の目に狂いはないと思っても、他の人には別のものに見えている可能性もあるということです。
でも世の中には詐欺師をはじめ、とても頭の良いロジカルライアー(論理的うそつき)も存在しますので、騙されないように感覚を研ぎ澄ますことも重要です。
まずは、素直な感覚でいろいろなものごとに接し、その中で自分が納得したことを信じれば良いのです。
ただし、盲信(わけもわからずに何でも信じること)はしては、いけないということです。
■第二のポイントは「器」です。
「あの人は器がでかい」とか言いますよね。その器です。もちろん、器は大きい方がいいと思いますよ。
器の大きい人とは、ずばり「なんでも受け入れられる人」です。
あの人は、キライだから近寄らない。
あの人は、元々お金持ちだから自分とは釣り合わない。
あの人は、・・・
自分にとっての「あの人」をどれだけ受け入れられるかが、器の大きさです。
例えば、キライだった人に近づいていったら、とても気が合って大親友になったとか、お金持ちの人に勇気をもって、話しかけたらお金持ちの考え方を教えてもらえたとか
どうしても波動の合わない人の先にいた友人と、とても気が合ったとか
器を広げるといろいろな人から、成長させてもらえます。
まずは、苦手だと思っている人へ自分から近づいてみましょう。これが、器を広げる第一歩です。
例えば、自分のことしか考えない人より、家族のこと考える人の方が器は大きいですよね。それより、地域全体のことを考えられる人のほうが大きいです。それより、国のことを考える人の方が器は大きいということですね。地球全体の幸せを考えている人は、あの人はキライなんて言いませんよね。
■第三のポイントは「勉強好き」です。
勉強好きといっても、学校の勉強ではありません。もちろん、学校の勉強をしたり、本を読んだりすることはとても大切です。
しかし、ここでの勉強好きとは、常に学びのアンテナを伸ばしておくということです。
若い内に自己投資も大切な考え方です話しを戻すと、日常生活の中で、常にビジネスに役立つ情報を探すくせをつけることが大事だということです。学校や会社にいる時間だけでなく、普段の生活でも自分の意識しだいで学ぶ事はあふれています。
■技術の基本は感覚、感じることにある
反復練習など体に覚えさせることで技術は身につきますが、それをどう使うかが今問われています。
感覚は日常の生活の中で自分が意識していれば磨くことが出来ます。目に入るもの、聞こえる音、触れるもの、香りがするもの、すべてが何かを学ばせてくれます。
「なんでこれはこうなっているんだろう」という疑問を常に持つのです。
学ぶべき事は、何歳になってもどこにいてもあるものです。
カットはどうしてそうカットするのかカットした結果どうなったかデザインは考えることです。
基本の使い方であなたのデザインの幅が広がります。初めにすることは訓練です。
教えてもらったことをその通りしてみる、それが訓練です。
■ヘアカットデザインは姿勢が大切
カットをする時の自分の立ち位置、自分の頭の傾きによって目線が変わる。自分の姿勢はいつも気にしてチェックしなければなりません。自分の姿勢が狂うと左右対称にカットすることはできないからです。でも左右対称にデザインを作ろうと思ったら左右、同じ長さにカットすることとは違います。それは生身の人間の頭は左右対称でないからだから始めは左右対称に切ることが難しいのです。まずは正しいフォームと姿勢で左右対称にカットできることが大切であり基本でもあります。
■次なる姿勢
自分は何処を目指すのか?出来れば一流一番を目指してもらいたいです。そこを目指すことでエネルギーを全開にして勉強すると、気づくものが違ってきます。身につくものが違ってくるのです。特にこれからの時代、二流ではお客様からの評価が得られません。
直線に正確に切ること覚えたら、どんなデザイン切りたいのか、それを見つけたほうがいいです。なぜなら自分が作りたいデザインを作っていたほうが楽しいのではないでしょうか。楽しくなければ熱中できません。シッカリした基礎(スタンダード)なものを身につけているから、アバンギャルドなもの、前衛的なものが、無限大に作れるのです。
ピカソも基礎であるデッサンを身に着けているから自分の表現、あの様な絵にたどり着きました。
でもはじめからピカソのような抽象的な絵やバスキュアのような落書き、みたいな絵から入ってしまうと確固たる説明ができ無い、確信が生まれない、感覚で得たものは中々人に理解させることが難しい、何時も不安がつきまといます。ここのところ、美容業界も形より全体的な質感や雰囲気がひとつのトレンドとして長く続いて、へたうま感覚が求められてきました。
カット技術の基本を身につけず感覚でカットしてきた人が多く存在します。気づいた時点から始めても決して遅くはありません。覚えたものはあなたの財産だといえます。一生ものともいえます。また多くの人に教えて人を育てることが出来るのです。
コンクールや、ヘアショーなどのアバンギャルドの作品をないがしろにする人がいます。参加している人の自己満足と考えている人もいます。しかし本当にそうでしょうか。ワインディングコンクールが早巻き競争にしか見えないとかも耳にします。しかしそこで上位に入賞した人は、自信と言う力を得ます。これは大きく大切です。その後の美容に向かう姿勢が違ってくるからです。
■彼たちも革新を起こそうとしている、これも生き方の姿勢
ファッションショー。ロンドン、パリ、ミラノコレクション、多くのデザイナのショーはこんな服、着る人がいるのかと思える服ばかりが多く、現実離れしていると思うかもしれません。けして商業ベースには見えない、モードが何を思考しょうとしているのかわからない人も多いと思います。ショーでは誰がこんな服着るのか、一般の人が着ない服を作ってどうするのか?と思えるような服ばかり出てきます。ものすごくアバンギャルドです。でも今ある服の延長上をやるのではなく、極端な先端を描くことで現実社会との融和を目指しているのです。
現実があり、その折衷点からリアルクローズ(半歩先の提案を)に落としこんでいき、新しいムーブメントを起こそうとしています。トップデザイナーは常に新しいムーブメントを作ろうとしているからです。極端なことをやらないと振り幅がないから新しいものは生まれません。だから彼らたちは創造的破壊をしようとしているのです。
アバンギャルドな作品作りは必要と言えます。それが作れる思考を持った人は、お客様のイメージするヘアは簡単に提案できますし、作る技術も感覚も持っていることは間違いありません。あらゆる分野のクリエイターの根底にあるものはシッカリした基礎を勉強しています。だから新しいものが作られるのです。
基礎を身につけるという事は新しいカテゴリーを作れる力を持つということ。上手くなる人は情熱の持ち方や姿勢が違うとも言えます。情熱のある人はひとつの基礎から深堀して追求していきます。だから一流なのです。
人から受け継ぐべきものは、受け継ぎ新しく生むこれが大切で、これら全て姿勢といえるのです。
【ボブ】資料D
世界で愛されるボブスタイル、ではボブスタイルとはどんなヘアを言うのでしょう?中々ハッキリ定義はされていません、元々は自然に長かった髪を女性が短くバッサリ切ったのが(断髪が)ボブの始まりと考へられます。
■3つのボブについて
ボブ (この種類も多く一般の人がボブにしたいと言っても通じない)
ページボーイ(長めの前上がりのボブ)
マッシュルーム (短めで前髪から耳を隠し襟足に向かってマッシュルームの様な短いボブ)
大きく分けてこの3つについて考えてみたい
まずボブの名前の多さは、新しい髪型を制作して注目を浴びると好き勝手に名前をつけたというのが真相で有名な人がボブにするとその人の名前が付けられたり、流行を生み出そうとしてネーミングしたり、技術名がネーミングされたりと多種多様です。
①一般的なボブ
日本では、(おかっぱ)肩より短く水平に切られた髪型をイメージされると思います。
しかしボブと一言で行ってしまうと肩上の長さから耳上の長さもボブと呼びます。
・ボブの名前
ビングル、ダッチ・ボブ、フェザー、ロングボブ、ページボーイ、ショートボブ、Aラインのボブ、Vラインのボブ、マッシュルームボブ、マイクロボブ、グラデーションオブ、ハーフレイヤーボブ、名前をあげれば切りがありません。
ハーフレイヤーボブで話題だったのが松田聖子(聖子カット)
小泉今日子がデビューで有名になった短いボブ、川久保玲のボブ、コシノジュンコ等フアンが多いです。
種類として、長さの長短で名前がついたもの、レイヤーとかグラデーション段差や技術名で命名されたもの、横から見た時のライン(前下り、前上がり)によって付けられたもの、スタイルの形やポイントの数で付けられたもの、例えば四角い形のスクエアーボブ、ヴィダルサスーンの代表作ファイブポイントボブ等あります。
②ページボーイ
元々、ページヘアがボブの形で、ページというのは、中世西欧の騎士に使えた少年小姓で、ページの髪型が少し長めのボブだったそうです。後にアイリーン。キャッスルが始めたとされ、ベティ・ペイジ(アメリカのモデル、女優)から人気になったとされています。
ページボーイは長めの前上がりにカットされたスタイルしかも当時は内巻きに巻いてセット
されていたもので、マリリンモンロー初め、50年~60年台の流行のヘアです。
③マシュルームボブ
眉毛ギリギリに前髪をカットし耳を隠して襟足に斜めにカットされたマッシュルームのようなヘアスタイルの事です。ページボーイとの違いは、マシュールームは長さが短い事です。男性では、ビートルズがドイツのカメラマン志望のアストリット・キルヒヘルがビートルズのメンバーに広めたと言われている。このマシュールームカットが大ヒットしビートルズのデビュー以後ローリング・ストーンズもこの髪型をしていました。
この時代はロングヘアと言われ学校で髪を切らされていました。今見ると全然長くありません。日本でもハイカットのブーツとマシュールームヘア、学生も髪を伸ばし、この髪型に音楽に皆、影響されていました。
フランスでは(ニノンの髪)ジャンヌ・ダルクの髪の意味として有名でジャンヌ・ダルクは、無論、オルレアンの乙女で、彼女は髪を短く切って男装していました。
グラデーションボブと呼んでいるベリーショートボブ、もともとイギリスでは少年の髪型、日本で言う坊ちゃん刈りでしょうか。少し違いますが、そのようなイメージで考えてもらうとわかりやすいと思います。
ひと口にボブと行ってもこれだけの違いが有ります。
一般の人がヘアサロンで「ボブにして下さい」と言っても長さや、形、段差が入っていたり種類が多いので認識の違いで、自分のイメージとぜんぜん違うものが出来上がってきますので気をつけましょう。
海外でもほとんどの女性がボブヘアを希望します。これはアメリカでもヨーロッパでも同じです
永遠のスタイル昔からこよなく愛し続けられたボブスタイルだからこそ種類も多いのかもしれません。
【レイヤー】資料
現在はレイヤー・グラデーション・ワンレングス・セニングすべての技術をミックスし、スタイルが作られています。当初ワンレングスとレイヤー、大きく分けて、この2つに分けていました。
しかしスタイルが多様化したのと、カットが体系化され、レイヤー(段差)もより詳しく説明するには、分ける必要が出てきました。そこでレイヤーとグラデーションの段差の違いに、呼び方を新たに加わったと言えます。
レイヤーは言葉で説明すると上が短く下の髪が長くなる段差のことを言います。
基本での前提条件としてシェープした毛束に対して直角に切ることが条件になります。上が長く下が短くなった段差のことグラデーションと呼びます。ちなみに上も下の髪も同じ長さに来られた段差をセイムレイヤーと呼びます。
レイヤー上下、左右の毛束の引き出し角度によって長さが変わります。それだけに始めは左右対称にカットすることと、シェープに対して直角に切ることが基本になります。これを正確に、守ってカットすることで左右対称にカットすることができます。
基本的には長さが左右、同じにすることですが、左右のボリューム感も同じにすると言うことです。しかし人間の頭は左右の頭の形も違えば、毛流れによって、どちらかに髪が偏ってしまっていたり、左右で髪の分量も違います。ですから同じ長さにカットする、イコール左右、対称では有りません。
それを毛束の角度の調整で長さや分量を調整し、左右対象にするということです。
髪に自然に力が加わっているのは、引力によって下に落ちようとする力が加わっています。プラス左右の長さを変えてあげる事で髪が一定の方向に流れ方向性が出てきます。
手入れのしやすい、ボリュームや方向性、毛の自由な動きを出すデザインに多用される、とも言える技術です。髪という素材を味方につけて、カットデザインを成功させるにはレイヤーは最も大切な基礎と言えます。
ショートヘアになればなるほどイメージしたシルエットと雰囲気がお客様と違ったものになります。
ショートカットで最も影響が出やすいのは
角度(ステム)
シェープ(テンション)
パネルの厚さ
カットライン(切り口)
角度とシェープは一体ですが立体的な技術の中で、あてになる、物差しはパネルを持つ左手です。シェープした毛束を何処の箇所も綺麗に挟むことから始まり、パネルの角度が正確な、角度になっているかが重要です。ですからカットデザインは左手で決まると言います。
■オンベース
オンベースは大体同じ長さ(セイムレイヤー)にカットしたい、時に使います。
オンベースでしかもスライス幅も同じにして、連続できることで同じ長さに切れます。
しかし髪がショートになればなるほどベース幅を、狭くする必要があります。
ベースの幅を広く取ってカットした髪は両端が長くセンターが短く切れます。
左サイドベース(オーバーダイレクション)
ベース幅に対して左ベースの、ベースライン上に寄せてカットした場合、左が短く右が長くカットされます。この連続展開で、徐々に右を長くすることが出来、髪の力で右に流れやすくなります。
右サイドベース
これは左サイドベースの反対になります。
アップベース(アップステム)
分かりやすく、スライスラインを横に取っていますが、水平より上に引き上げカットした髪は上が長く下が短く切れます。これをレイヤーと呼んでいます。
ダウンベース(ダウンステム)
水平より少しでもパネルを下に引き出しカットした髪をグラデーションと呼ばれた段差になります。
左右上下のパネルの引き出し角度とベース幅を一定に決めてカットし、連続して行うからこそ左右対称にカット出来るようになるわけです。この決め事がシッカリしてないと、何回かカットし直さないと左右対称になりません。効率が悪くなり、カットで出せる力や方向性も台無しになってしまいます。
【グラデーション】
上の長さが長く下の長さが短い段差のことを言います。
グラデーションは毛束をある一定方向に引いて切った時、重力で髪が下に戻ろうとします。元に戻った時に髪にずれが生じそこに段差と髪の流れと方向性が生まれます。
前方60度に引き出した毛束をカットした時元の状態に戻った時ズレが生じます。そのズレが段差となってウエイトポイントを創り、このポイントの位置によって顔の表情を変えることができます。これが似合せに繋がります。
前方45度の引き出す角度、これが角度を覚えるための一つの基準になります。
前方30度に引き出しカットした場合ウエイトポイントが低い位置になります
またグラデーションの特徴として、下の髪をすぐ上の髪が押さえつけてくれる役目も果たします。それを知った時使い分ける楽しさが生まれます。
エベレーションカットでグラデーションを付けることができ、角度によってウエイトポイントが変わります縦スライス・横スライス・斜めスライスによるそれぞれの良さを知ることで使い分けることができ微妙のニアンスを出すことができます。
【セニング】資料
カットの根本原理を考えた上でセニングをしていますでしょうか?
セニング=梳くではなく、ブラントカットのハサミとして考えてもらいたいのです。
ブラントカットの根本原理の基礎が身についた人は、セニングハサミを普段使っている、ハサミの利用と同じ感覚で、入れる角度、毛束の何処に入れるか等、考えて入れています。
例えば、ひとつの毛束をとった時にS字のうねりがあるとすると、そのうねりをストレートの流れにハサミの入れ方で近づけることが出来るのです。
それはカットで出せる力と方向を知ったうえで、ハサミの入れる角度を考えどのように短い毛を作っていけば良いかが、わかるからです。短い髪が長い髪を押すという理論を、意識して入れると、うねった髪の毛も力学上、ストレートに近づけることが出来ると言うことです。
もともと、S字の左右に行こうとする力を、それぞれ反対の力を加へることで出せるのです。セニングシザーズは通常、チューニング、毛量調節と考えがちですが、目の粗いシザーズと、2本持つことでデザイン上、仕事も早くなり大変便利な道具となります。しかし使い方を間違うと、一見ストレートヘアに見えていた髪の毛も、湿気の多い持期には癖が出てきて、まとまりの悪いスタイルとなり、髪の艶さえ奪ってしまいます。
白人女性に日本人と同じ、使い方をすると髪の毛が少なくなってしまいボリュームが無くなってしまいます。大体の白人女性は体の大きさに対して頭が小さいのでボリュームを求めます。日本人は逆に頭や顔を小さく見せたい願望があります。全く間逆なものを、国によっては求めていると言えます。
最近、毛先をチョップカットでギザギザにカットするケースが多いと思いますがセニングシザーの目の粗いものでカットすると、二三回で毛先をギザギザにカットすることが出来、とても早く切ることができます。
毛先に向かって綺麗な毛束感を求めたり、シザーズの角度の入れ方をセニングレイヤー、セニンググラデーションと呼び名を付けることで、セニングハサミの入れる角度を、考えて入れることにもなります。
くせ毛で毛量の多い人には、思い切り根元に入れることで短くセニングされた髪は根元で頭皮に馴染み、中間や表面に短い髪を作らないことで艶のある毛量調整(くせ毛の人は中途半端に入れないこと)を、することができます。中途半端な入れ方をすると、くせ毛でなくとも、艶が無くなりうねりが強調されます。また動きにくい髪に、空間を作ることで摩擦がヘリ、綺麗な動きが出ます。
セニングの入れ方によって立体感を出すことも出来、今やセニングシザーズは基礎デザインに欠かせないツールになりました。
髪は長さの違いによって、しなり方が変わり、髪の遊びを生み出します。
ここに頭の傾斜と引力による圧力が加わることで自分の動きに合わせ毛束は無限の表現をします。これも計算されたカットと根本原理を理解された人だけが作ることの出来るデザインです。
時代は大量生産思考、安売り思考は、後進国だけでは無いでしょうか?
シッカリした技術を提供、出来る人は正当な金額を頂いたほうが、安心して任せる気分になります。これもお客様心理だと思います。これはテクニック思考を進めているわけでは無いのです、あくまでもここで述べているのは根本原理でこれを知らずしてデザインしている人があまりにも多いと言えます。
美容本来のお客様の目的は美しくなりたいが、本来の目的です美しく実用的で気持ち良い手入れのしやすいヘアスタイルを求めているはずです。本来お客様は、技術以前に美容師としての(専門家の目)を期待しています。その期待に答えるべく、技術の色々な引き出しが必要になってくるわけです。
セニング=髪を梳くから、デザインするに、基礎技術が変わったこと認識してみましょう。